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【葛葉ライドウ】再開しました…。【アバドン王】

槻賀多村
わらべ唄について調査するため、
槻賀多村へと戻ってきたライドウとタヱさん。
「わらべ唄のことを当たるんなら、
槻賀多村の歴史に詳しい人よね…。
やっぱり長老かしらね？
槻賀多の長…えと、長次郎さんだっけ…。
…と、いうよりさ…
ねぇ？ライドウくん…。
なんか…静かすぎない？
人っこ一人いないなんて…」
以前来たときは排他的とはいえ人影が
あったものだが、どうしてだろう、
今は誰の姿も見えなかった。
「帝都からはるばる葵鳥さんが来たのよ？
もうちょっと歓迎してくれても…」
って、あ。
「…な、なに!?
う、うそ…ねぇ！あれって…
ライドウくん…あれ、帝都に飛んでた…？」
空から現れたのは、巨大な黒いイナゴ――
アポリオンだった。
「な、なんで槻賀多村にいるのよ？
出先で…こんなのって…
あぁ…なんてツイてないのぉ!?」
あ、いきなり戦闘？
なんも準備してない…。
メンバーはクー・フーリンと
ティターニアさん。
こいつ弱点とかあったっけ？
全部忘れた。
まあいいや。ごり押しで。
ごりごり。
ごりごり。
ごりごり。
はい勝った。
呆然としていたタヱさんが
はっと我に返った。
「…あ！あたし…やだ、うそ…？
気絶してない…と！それもそうだけど！
…え？えぇ!?
ライドウくんが…アポリオンを？
やっつけて…くれたの？」
そうですとも。
タヱさんは再び呆然となる。
「そう…。
…あぁ気にしないでね。
ちょっと、びっくりしただけ…。
あたしの知ってるライドウ君と
全然違うライドウくんを見たからね…。
ね、ねぇライドウくん…」
言いかけて、
2人に近づく人影に気づいた。
「ライドウ…それに貴殿はたしか
帝都の朝倉殿…？」
「…ゲイリンさん」

「アポリオンの断末魔の悲鳴をたどって、
ここに来たプロセスだ。
………
槻賀多家と切れた貴殿が、
ここにいるセオリーとは？ライドウ」
ライドウはこれまでのことを
ゲイリンに説明する。
「なんと…
深淵世界への門が帝都で開いた…」
「そうなんです、それであたしたち、
その深淵世界の門のことで…
槻賀多村のわらべ唄のこと、
調べに来たんです…ね？ライドウくん」
「………事のプロセスは理解した。
だがひとまずは後にしよう。
貴殿らも知っての通り、
村の中にアポリオンが潜むプロセスだ。
まずは朝倉殿の安全を優先する希望だ。
福禄荘に向かうセオリーを勧めたい。
槻賀多村のピープルも
福禄荘に非難させているプロセスだ。
…貴殿らも、
いざ福禄荘へのプロセスを」


福禄荘
「あんたぁ！ゲイリンさんとこの
娘っ子じゃろがぁ？
のんびりしとらんとぉ！
あんたも行かにゃならんがね!?」
村人たちがヒステリックに凪に向かって
怒鳴っていた。
「…師匠が待機を命じたプロセスで、
自分がここにいるセオリーです。
自分の言葉を、師匠のお言葉と予測して
かまわないセオリーです。
安心してくれるセオリーです。
今は師匠を信じて待つがベストなのです」
「まぁ、あんたがそこまで言うならよ…
待つか？ゲイリンさんをよぉ」
凪の冷静な言葉に村人達が落ち着きを
取り戻す。
そこへゲイリンとライドウ達が現れた。
久しぶりー。
「師匠…」
「…見ていたぞ。
ナイスな仕切りのプロセスだ。
成長したな…凪」
「そんな…」
師匠に褒められ気恥ずかしげになる凪。
「ゲイリンさんよぉ！」
村人が叫ぶ。
「村ん中にまだうちの子がいるってぇ…！
あのイナゴのバケモンに喰われっちまう！」
「槻賀多さんとこの巫蟲師じゃあ
てんで敵わねぇみてぇだしよ…！
秋次郎さんもどっか行っちまったぁ！
あんただけが頼りじゃ、ゲイリンさん！」
「逃げ遅れた者がいるプロセスか。
自分に発見されなかった不運と…
…！」
ゲイリンは突然苦しげに胸を押さえた。
「師匠…！
お願いです…少しブレイクを。
お体に障る…セオリーです」
凪の懇願に、しかしゲイリンは、
「…お前は、待機がセオリーだ。
…お前は、福禄荘で待機がセオリーだ。
ここで、村のピープルを守ってくれ。
…できるな？凪」
「………
師匠がおっしゃるのなら
…理解した、プロセスです」
凪はゲイリンの言葉に従った。
「帝都の皆々にも、
ここで待つセオリーを勧める」
ひとりで行こうとするゲイリンに
ぬこが言う。
「こいつを連れて行け。
…ゲイリン。
相手がアポリオンであれば、
加勢できるのは、こいつくらいのものだ。
こいつを連れて行け。
事が手短に済むことを約束してやる」
「…いいのか？ライドウ。
槻賀多村のハプニングで…
帝都のライドウが骨を折るプロセスだ。
骨折り損のセオリーではないのか？」
もう槻賀多村とか帝都とか言ってる状況じゃ
ないじゃない。
「………
十四代目葛葉 ライドウに…
感謝とリスペクトを申し上げたい」
「恐縮など要らぬ。
元より槻賀多村のわらべ唄のことで
秋次郎の証言が欲しいところだしな。
だがしかし、
こいつの殊勝な態度は…
お目付け役の我の教育の賜物だぞ？
できた後輩を持って我も鼻が高い」
あーはいはい。
「ゴウト殿…
かたじけぬプロセスだ。
貴殿らの御言葉に甘えさせてもらう。
共に村のピープルを助けるプロセスだ。
よろしく頼まれてくれ、ライドウ！」


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