【葛葉ライドウ】槻賀多村ヤバイよマジヤバイ【アバドン王】
プレイ範囲:槻賀多村 福録荘まで
ようやく第弐章です。
虫かごに描かれた「天斗紋」(デジモンにあらず)
という物証を手に入れたものの
遅々として弾捜索は進まず、丸三日が
過ぎてしまう。
ライドウ達はこれからどうするのでしょうか。
鳴海探偵社
「……わざわざお越しいただかなくても、
読んでくれればこちらから出向いたのに」
鳴海探偵社に入ってきた女性の声を
鳴海さんが出迎える。
茜さんだ。
茜さんはライドウに対する
父親の無礼を謝罪しに来たという。
そんなのいいのにねぇ。
茜さんは持ってきた苺のショートケーキを
差し出す。
「あの、これ……召し上がってください。
手作りなので少し不恰好なのですが……」
「うそぉ!?手作りですって?
へぇ……茜さんって器用なんですねぇ」
鳴海さんは茜さんの手作りケーキに
驚き歓喜する。
味の方もかなりのものらしく、
ぬこの舌を唸らせるほどだ。
つーかぬこかわええ(*´д`*)
「……そうだ、アレ。
アレを茜さんに見てもらおうかな……」
鳴海さんは思い出したかのように言う。
「弾さんの捜索の途中でね、
見つけたものなんですけど……」
そこへ電話のベルが鳴り響き、
鳴海のさんの台詞をさえぎる。
「……なんて間が悪い。
誰だぁ?こんなときに電話する奴……
すいません、茜さん。
ちょっと外しますね……」
しかし鳴海さんが電話に出ている間に
茜さんは帰ってしまう。
「おいライドウ、いい報せ……あれ?
茜さん……帰っちゃったのか?
なんて間が悪い……」
鳴海さんは虫かごを手にし、
「……これのこと、なんか知ってるか
聞いてみようと思ってたんだけどな。
ついでに「お父様」の成田議員のこと、
直接教えてもらいたかったんだけど……」
??どういうこっちゃ。
成田氏に何か秘密でもあるのかな。
まぁ何かあるんだろうけど。
「……まぁいいや、電話……タヱちゃんからだ。
タヱちゃん、今どこにいると思う?
……槻賀多村だってさ。
槻賀多家があるって言う、槻賀多村だ」
……マジで行ったんかい。
タヱさんは実在するかも判らない
槻賀多家を探して本当に山陰地方に
行ったらしい。
なんというアグレッシブさ。
鳴海さんは苦笑する。
「でな、ライドウ。
それだけじゃないんだぜ?
お手柄なんだ、タヱちゃん。
間のいいときに電話をくれてツイてる!
……聞いて驚くなよ?ライドウ。
タヱちゃん、槻賀多村で見つけたんだと……
俺たちが捜している……
弾の実家をな」
( д) ゚ ゚ ポーン
槻賀多村 バス停留所
タヱさんの情報を弾捜索の手がかりとして
ライドウ達は槻賀多村へと赴いた。
ちなみに鳴海さんも一緒。
マジで今回仕事してんなぁ……。
村を一望できる丘にあるバスの停留所で
タヱさんが出迎えてくれる。
「……あ、来た!
こっちよ、こっちぃ!
ライドウくぅん……ついでに鳴海さぁん」
ようこそ、槻賀多村へ。
こんな遠くまで、お疲れ様」
「……所長の俺がまたしても「ついで」なのは
ともかくとしてだねぇ……
こんな長旅、久々だぜぇ……?
もうクタクタ……なぁ?ライドウ」
気力を使い果たしたような顔の鳴海さん。
タヱさんはすでに宿を探してくれているらしい。
槻賀多村の湯治場にある、福禄荘という
旅館だそうだ。
流石葵鳥さん!
「帝都で待たせてる茜さんのためにも
……なぁ?ライドウ。
槻賀多村で弾の手がかりを見つけるぞ。
今まで以上に捜査に力を入れてくぜ……!」
誰 だ お 前 。
前作とはまるで別人だよ!
いや、これが本来の鳴海さんなんだ。
前作は元々PSP用に開発されていた
らしいのをPS2用にしたから、
うまくキャラが立てられなかったんだよ!
今回は「飄々としているが実は熱い」
って感じがはっきりしてるし。
湯治場
槻賀多村ヤバイ
まず湯治場なのにホスピタリティゼロ。
ゼロってもんじゃない。むしろマイナス。
まともにコミュニケーションとろうとしない。
読心術がデフォ。流石の私も連れてる仲魔
ぴくしーたんからイヌガミに変えるくらい。
心読んだら読んだらで「悪さしたらバラす」とか。
黒歴史公開するとかそんなんじゃなくて、
死体解体的な意味でだよ。
ヤバイ。槻賀多村ヤバイよマジヤバイ。
思わず現実逃避に拾ったねこじゃらしで
ぬこと戯れるくらいヤバイ。
「なんだ?
我に、ねこじゃらしを向けおって。
この黒猫のナリとて我も葛葉の端くれよ。
ただの猫のように惑わされると思うな……」
あらつれないのね。
福禄荘
とにかくさっさと福録荘を探そう。
うろうろしていると、立派な建物の前で
前掛けをしたおばちゃんに声をかけられる。
「ちぃと、底いく若ぇお兄さん。
そんなん急いで、どこ行くん?」
ああ、村民と初めてコミュニケーションが……!
えーと福禄荘っていう旅館を探してます。
「あんれぇまあ……!
あんたぁ、ついとんわ。
うちんとこが福録荘なんじゃよ?
とまりのお客さんじゃろ?
さぁさ、中へはいってってつかぁさい」
おお、ここか。
仲居さんは村人と違ってホスピタリティに
あふれてるなぁ。
流石に旅館の人にまでツンツンされるのは
つらいのね。
「辺ぴな田舎の旅館にしては、
立派な門構えじゃないか……どれ」
とぬこが足を踏み出し――
「ちょいぃ!お兄さんの連れの猫ぉ!
ちゃんと見とってよねぇ……?」
仲居さんがあわてて叫ぶ。
「この面にぃ、いたずらせんよぅ
注意せにゃあ駄目だかんね?」
軒先の柱には奇妙な面が飾られてあった。
あれ?
なんかどっかで見たような
そうでないような?
「……やっぱ甘そうに見えるんかの?
あんたぁこの面、スイカっぽくねか……?」
へ?ああ、そうですね。
スイカっぽいですね。
「……バカ正直ぃ言ってっと、あんたぁ、
バチぃ当たっても知らねっぞ?
シナド様ぁの面にぃ、
気安ぅ触っちゃ駄目だかんねぇ?」
自分から振っといて
そりゃないよおばちゃん。
そしてその夜。
西洋風の鳴海探偵社とは違う
純和風の部屋にくつろぐ鳴海さん。
「……あ、ねぇライドウくん。
さっき旅館のおばちゃんに怒られてた?
軒先の面に触ろうとしたんでしょ?」
とタヱさん。
触ろうとしたわけじゃないんですけどね……。
タヱさんも面のことで怒られたという。
この村にはシナドという土着の神への
信仰があるらしい。
「あのお面は、そのシナドを祭ったもの……
……ん?」
タヱさんは何かに気づく。
「ゴウトちゃんてば、
首輪になんか挟まってるけど……」
「……な、なにを!?」
そう言ってぬこの首輪から
探偵手帳を抜き取ってしまう。
「……うそぉ?なにこれ……手帳よね?
やだぁ……かわいすぎるぅ!」
抵抗するもぬこの声は
デビルサマナー以外の人間には
にゃーにゃー鳴いているようにしか
聞こえない。
「あのさ、タヱちゃん……ゴウトちゃんと
仲良しのとこ申し訳ないけど……」
鳴海さんが声をかける。
「そろそろ聞かせてよ。
「弾さんの実家」の話をさ」
「……そうね」
タヱさんは態度を改める。
天斗紋をたよりに山陰地方に来た
タヱさんは「槻賀多村」という
地名を見つけた。
「……あたしの勘は大当たりだったわ!
槻賀多村の領主が槻賀多家なんだって!」
タヱさんは話を続ける。
「……で、槻賀多村を見つけて、
槻賀多家の住所を調べてみたら……
槻賀多家の当主さんのご子息、
その名前が……鳴海さんたちが探している
「弾」って言うらしいのよ……」
(;゚Д゚)(゚Д゚;(゚Д゚;)ナ、ナンダッテー!!
茜さんに頼まれて探している
巫蟲師や天斗紋に縁のある「弾」と、
巫蟲師の一族であり天斗紋を持つ
槻賀多家のご子息の「弾」。
どう考えても同一人物だ。
これで違ったら逆に凄い。
「まぁでも……今日はもう遅いし、
本格的な捜査は明日からだよな。
……あのさぁ、ライドウ……」
鳴海さんはライドウに顔を寄せる。
「……萬年町のときみたいにさ、
巫蟲師が邪魔してこないといいよな。
最悪、俺らはいいとして、
タヱちゃんが巻き込まれでもしたら……」
「ちょっと二人とも?
なに顔ちかづけてコソコソやってん……あ!
あなたたちって……そ、そういう関係?
うそ!やだあたし、知らなかったから……」
タヱさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!?
なんだその腐的な発言は!
あ、あれだ!萬年町で毒されて……!
ヒィー(((゚Д゚)))ガタガタ
「……勘弁してよ。」
