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【葛葉ライドウ】ライドウはバナナの皮を踏んで転んでしまった！【アバドン王】

虫？
虫って冒頭に出てきたあの虫のことかな？
テンパる辰巳に虫の事を訊ねると、絶句し
逃走した。
「辰巳の弾への関与は明白……
我も付き合ってやる。
辰巳を捕まえて弾の証言を暴くぞ」
よっしゃ、いくぜぬこ！


辰巳を追いかけるも、辰巳とグルの男が
道……というか、民家を塞ぎ、ライドウ達を
追い返してしまう。
「辰巳以外通さんとあの男が言うのなら、
辰巳に変身してしまえば、問題なかろう」

技芸属の悪魔の持つ「擬態」は、
ライドウがほかの人物や動物に変身できる捜査用特技。
但し変化する相手の髪の毛を持っている必要がある。

「よし、少しここで待っていろ」
そう言ってぬこは賭場から辰巳の髪の毛を調達
してきてくれた。流石ぬこ！
技芸属といえばピクシーたん。
ピクシーたんを召喚し、辰巳に変身して民家を
通り抜け、川べりまで追い詰める。
ライドウが辰巳に詰め寄ろうとしたその時――

ライドウはバナナの皮を踏んで転んでしまった！

ちょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!!!
「はいぃ……？キネマじゃあるまいし……
バナナの皮で転ぶって…・・・ウソだろぉ？」
と、辰巳。
私も激しくそう思います。
「お前のかぁちゃん、三段腹ぁ！」
そう言い残し、逃げる辰巳。
「我がついていながら……すまぬ。
バナナの皮が不運を招くとはな……」
ぬこが謝ることじゃないよ～。
というか、もう触れないであげて。
一番恥ずかしいのはライドウよ！


待たんかいワレェェェェェェェェェェ!!
おお、お針子さん。辰巳を見ませんでしたか！
「あらまぁ辰巳さんを追いかけてるの？
ふぅん……そう、辰巳さんが好みなの……
こんなキレイな書生さんに想われて、
辰巳さんも男冥利に尽きるわね……」
腐女子テメェェェェェェェェェェ！！


萬年町二丁目のオカマロヲド
へ逃げる辰巳。
オカマさん家へ飛び込んだのを追いかけるが、
家の中は真っ暗闇！
「中が真っ暗なんて予想外だったぜ！
お、おぉ……俺ってばツイてるぅ！」
挑発してくる辰巳。
「……うぬの判断に任されてやる。
右か？左か?正面か？どこを探す？」
と、ぬこ。
正面！漢らしく正面！
「……す、すまぬが……
足をどけてくれると……た、助かる……
我の尻尾だ……踏んでいるぞ……
うぬの足を…ど、どけ……どけ、て……！」

しかし、足を上げた拍子に
ライドウはよろけて転んでしまった！

(ﾉ∀`) ｱﾁｬｰ
「……す、すまぬが……
我は、敷布団ではないのでな……
起き上がってくれ……下敷きだ……
お、重い……！」
ベッタベタすぐる……！
辰巳はこの隙に逃げてしまう。
「お前のかぁちゃん、富士額ぃ！」

「……気づいているか？
辰巳に有利な偶然が続いている……
「ツイている」と片付けるには、
いささか出来すぎな感がある……」
まあね。
いくらなんでもベタの神光臨しすぎ。

辰巳を屋根の上まで追い詰めたその時、
突然謎の仮面の男達が現れる。
仮面といってもお面や目元を隠すタイプのものではなく、
なんというか、ライダー的な感じである。
「……おめぇだな？
マント、ヒラッヒラさせてっから
すぐわかんだよ」
逃げる辰巳。
「……言葉の端々に地方特有のなまりがある。
もしやこいつらがうわさに聞く「よそ者」か……？」
と、ぬこ。
「……聞いてるんだぜぇ。
おめぇ……男を捜してるんだってぇ？」
そうですがなにか。
「お？なんじゃ、やけに素直じゃの。
……正直に答えたって許さねぇけどな。
オレら犬がでぇきれぇなんだ。
「弾」のことかぎ回るのやめなよ」
お、やっぱり弾さんと関係あるのか。
「萬年町なんかに来なけりゃあな。
オレらに目ぇつけられずにすんだろうに……
……まぁ、てめぇのツキの無さを
恨んでやってつかぁさいなぁ」

ライドウは、
意識が遠のいてゆくのを感じた……


ライドウ達が目を覚ますと、そこは萬年町でも
異界でもない異空間だった。
「…目ぇ覚めたかい？
安心しとけぇ、命までもは獲んねぇでやる。
……どうせ何もできやしねぇだろうしよ。
おめぇはぁ、もう獲物じゃ。
俺らの巫蟲るつぼの術の獲物じゃ。
……晩メシの時間にゃ帰してやっからよ」
そう言い残すと仮面の男たちは消え去ってしまった。
「この我を術中にはめてくれるとは……
味な真似をしてくれる。
……辰巳を追うには、ここを出ねばならぬ。
まずは先の仮面の連中を探そう。
……術者を倒して術より脱するのだ」
　　　　　　　　　　　





　　　　　　　　　







　　　　　　　　









　　　　　　　　　

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